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梅若会 定式能
 
平成21年4月19日() 午後1時開演

於:梅若能楽学院会館


 “能” 大原御幸
シテ・建礼門院(平清盛の娘)
  松山 隆雄
ツレ・後白河法皇(女院の夫・高倉天皇の父)
  角当 行雄
ツレ・大納言ノ局
  松山 隆之
ツレ・阿波ノ内侍
  山中 迂晶

他に
善界 白頭  
シテ・山伏(善界坊)  梅若 靖記
ツレ・山伏(太郎坊)   川口 晃平)



(
京都)大原・寂光院を訪ねた後白河法皇に平家没落の様子を語る建礼門院  − 優美な姿の女院が平家滅亡の悲しい体験を語る−


唐(中国)の大天狗・善界坊が日本の仏法を攻略しようと企てるが、僧正が日本の諸神を招き皆で神風を起こす。 さすがの大天狗も力尽き退散する。
 
 【あらすじ 大原御幸
 長門(山口県)の早鞆の沖で平家が没落した折、建礼門院は幼帝(安徳天皇)と共に入水するが心ならずも源氏の武士に救われる。 今は出家して大原の寂光院に住み、ひたすら幼帝の跡を弔っている。訪れる人も無く涙の毎日である。
 寂光院の池の汀の桜の花は池水に散りしいて錦のように美しく見え、雲間のカッコウは声高く鳴いている。
 そんな初夏のある日、後白河法皇が寂光院を訪ねる。女院は裏山へ仏に供える花を取りに行き留守である。 法皇は景色をながめながら暫く待つている。
 女院が戻ると、思いもかけぬ法皇のご訪問に驚くが、身ずくろいをして対面する。 そして法皇のお尋ねに従って目前に見た「六道」の有様の体験 −・天上界のような平和な生活 ・西海の船上では飲水が無い餓鬼道  ・荒波にもまれる船中の叫喚は地獄道 ・戦いの修羅道 ・馬蹄の響きは畜生道 
・それらを見、聞くこの身は人道の苦患−と、平家一門の最後、幼帝ご入水の有様を涙ながらに詳しく報告する。
  名残はつきないが、やがて法皇は帰る事になり、女院は寂しく見送るのである。

 【あらすじ 善界
 唐土の天狗の首領・善界坊は、本国で仲間をことごとく邪道に引き入れたので、この上は日本の仏法をも妨げようと山伏姿ではるばる渡って来た。 善界坊は、愛宕山の太郎坊を訪ね協力を求める。話にのった太郎坊は、日本の天台山である比叡山を脅かそうという。
 異様な山伏姿の二人は、仏法の力を恐れながらも嵐にまぎれ如意岳の方へと飛び去った。
 勅命によって宮中へ向かう僧正達一行は山を降り下り松のあたりに来ると、大地が振動し稲妻がして雷鳴が轟き凄じい天候となった。 そして、その雲の中から大天狗善界坊が現れ、しきりに邪法を唱える。
 しかし僧正が心を澄して降魔の法を称え諸神(不動明王・童子・諸天・山王権現・松尾・北野・賀茂)が出現する。 そして日本の神々が神風を起こして善界坊を吹き払う。さすがの大天狗も力尽き日本攻略の悪夢をあきらめ、急いで逃げ帰った。