『蚊相撲』 世を挙げての相撲の大流行。
自分も相撲取りを抱えたいと思った大名は太郎冠者に命じ、探しに行かせる。ところが、応募してきた相撲
取りは実は蚊の精で、相撲に乗じて人間の血を思う存分に吸おうと思ったのだ。
そうとは知らず相撲を取った大名は、まんまと血を吸われてしまうのであった。人間社会の流行の陰に必ずはびこる悪ないしは悪徳を、
蚊という小さな生き物の姿をかり、示唆しています。
『羽衣』
漁師・白龍(ワキ)は、三保ノ松原で音楽を耳にし、辺りを見回しますと松の枝に美しい衣が掛っています。
『家の宝』にしようと持ち帰ろうとすると若い女性(シテ)に呼び止められ「それは天人の羽衣なので返してほしい」と頼まれます。が漁師は返そうとしないので天人は嘆き悲しみます。そ
れを見た漁師はかわいそうに思います。そこで「羽衣を返すかわりに天上の舞を見せて下さい」と頼みます。天女は喜び、羽衣をまとい月世界や三保ノ松原を讃えて舞を舞います。
この度は、後半の衣を着舞いながら月に帰っていく場面を演じます。