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梅若会 定式能
 7月20日(日) 午後1時開演

於:梅若能楽学院会館


 “能” 実盛

平家の侍 実盛は弓の名将で、篠原の合戦に源氏方の手塚の太郎に討たれた。実盛は「六十余歳になって戦に行く時は、老武者と侮られないように、鬢・鬚を黒く染め、若作りで討ち死にする」と常々言っていた。・・・・・・・

 
 
シテ
松山 隆雄
 
ワキ
工藤 和哉
【あらすじ】
 加賀篠原で念仏説法している遊行の聖(ワキ)は、時々独り言をいう。それは他入に見えない老人がこの説法の庭に来るからである。ある日、僧がその名を尋ねると、はじめ口ごもった老人(シテ)は実盛の幽霊だとうち明けて姿を消した(中入)。
 僧が称名の声をあげてその霊を弔っていると、甲胃姿の斎藤別当実盛の亡霊(後シテ〉が姿を現わす。討死を覚悟の実盛は篠原の合戦に出発の際主君平宗盛に願って錦の直垂を賜わり、敵将木曾義仲を討とうと奮載した。敵の手塚太郎光盛がその派手やかな出でたちに目をとめて、「名乗れ名乗れ」とせめたが名乗らず、遂に手塚に首をかき落された。
 手塚はその人柄を怪んで義仲に報告し、実盛らしいので樋口次郎が首実験した。樋口はその首を見て涙を流した。六十余歳の老武者だから先陣争いもなるまい。戦場には鬢や鬚を黒く染めて若やいで出て討死するのだ、とは実盛の口ぐせであった。そしてその通りに白髪を染めて、こうして討死したのだ。試みにその首をここの池の水で洗ったところ、墨は流れ落ちてもとの白髪となった。それは今から二百余年も前のことだが、まだ執心が晴れずにこうして姿を見せているのである。
 最期の有様を委しく語り示してから、回向を乞いつつ老武者の姿は消えてゆく。
   他に
               “能” 大般若 
シテ
梅若 靖記
ワキ
大日方 寛
ツレ
山中 晶 / 松山 隆之/ 川口 晃平/ 土田 英貴